Cisco ISCW DOCSIS
DOCSIS (Data-Over-Cable Service Interface Specifications) とは、
CableLabs によって制定された国際規格。
CableLabs は、ケーブル機器ベンダーのデバイスのテストを行って認定し、
DOCSIS 認定または Qualified (適格) ステータスを付与する。
DOCSIS では、ケーブルによるデータ転送システムにおける通信と
運用サポートインターフェースの条件が定義されており、
既存の CATV システムに付加的な高速データ転送を可能にする。
CATV 事業者は、既存の HFC インフラストラクチャによる
インターネットアクセスを提供するために、
DOCSIS を採用している。
DOCSIS の規定する範囲は、OSI 参照モデルのレイヤ 1 とレイヤ 2 にあたる。
物理層:DOCSIS は、CATV 事業者が使用できるデータ信号用のチャネル幅、
(200kHz, 400kHz, 800kHz, 1.6kHz, 3.2kHz, 6.4kHz) を規定している。
また、変調技術についても規定している。
※変調技術とは、RF 信号によりデジタルデータを伝送する方法。
※RF 信号とは、TV 信号のこと。
MAC 層:アクセス方式を定義している。
時分割多重接続 (TDMA:Time-Division Multiple Access)
同期符号分割多重接続 (S-CDMA:Synchronous Code Division Multiple Access)
現在使用されている DOCSIS 標準規格には次の 3 つがある。
DOCSIS 1.0:1997 年 3 月に制定された初の標準規格。
1999 年 4 月に改定されて 1.1 が発表された。
DOCSIS 2.0:IP テレフォニーなどの需要の高まりに合わせて 2002 年 1 月に
発表された。アップストリーム伝送速度と QoS を向上させた。
DOCSIS 3.0:現在制定中。帯域拡張のため、チャネルボンディング技術により
加入者ごとにダウンストリームとアップストリームの複数チャネルを束ねて、
同時に使用できるようにするという構想がある。
米国とヨーロッパのケーブルシステムは異なるため、
ヨーロッパには Euro-DOCSIS というものがある。
DOCSIS と Euro-DOCSIS ではチャネル帯域が異なる。
ヨーロッパのケーブルチャネルは 7 MHz と 8 MHz チャネル帯域の
PAL ベースの標準規格に準拠している。
北米のケーブルチャネルはケーブルチャネル帯域を 6 MHz に規定している
NTSC 規格標準に準拠している。
Euro-DOCSIS アーキテクチャのチャネル帯域の方が広く、
ダウンストリームデータパスにより多くの帯域を割り当てることができる。