FTP ( File Transfer Protocol ) はサーバとクライアントの間で
ファイル転送を行うためのプロトコルです。

具体的には、サーバに置いてあるファイルをクライアントにダウンロードしたり、
あるいは、クライアントにあるファイルをサーバへアップロードしたりする時に
使います。

FTP でファイルのやり取りを行うためには、
サーバ側に FTP のデーモン ( サービス ) が起動している必要があります。

では、FTP を具体的に試してみます。

FTP でファイル転送を行うためには、クライアント側で ftp コマンドを実行します。

FTP サーバ : 1.1.1.100
クライアント : 1.1.1.1

まずは、FTP サーバに FTP で接続する。

# ftp 1.1.1.100 Connected to 1.1.1.100. 220 (vsFTPd 2.0.5) 530 Please login with USER and PASS. 530 Please login with USER and PASS. KERBEROS_V4 rejected as an authentication type Name (1.1.1.100:root): test1 331 Please specify the password. Password: testtest 230 Login successful. Remote system type is UNIX. Using binary mode to transfer files. ftp>

FTP で接続するためのアカウントとパスワードが聞かれます。

どのアカウントで接続できるかは FTP サーバの設定次第。

通常、デフォルトでは root アカウントは FTP 接続できません。

匿名アクセスが許可されていれば anonymous アカウントが使えます。
anonymous アカウントで接続する際はパスワードは任意の文字列で構いません。

分からなければ root 以外のシステムに存在するユーザで FTP 接続を試してみましょう。

FTP で接続 ( ログイン ) できれば、次は FTP によるサーバとのやり取り。

help コマンドを使用して、
FTP クライアントと FTP サーバの間でどのようなコマンドが使えるかを確認してみます。
これはクライアントが CentOS 5 の場合の出力。

ftp> help Commands may be abbreviated. Commands are: ! cr mdir proxy send $ delete mget sendport site account debug mkdir put size append dir mls pwd status ascii disconnect mode quit struct bell form modtime quote system binary get mput recv sunique bye glob newer reget tenex case hash nmap rstatus trace ccc help nlist rhelp type cd idle ntrans rename user cdup image open reset umask chmod lcd passive restart verbose clear ls private rmdir ? close macdef prompt runique cprotect mdelete protect safe ftp> ftp>

cd や ls などのコマンドが使えることが分かります。
これらのコマンドを使って、目的のファイルやディレクトリを探して、
ファイルをダウンロード・アップロードします。

では、適当なファイルを FTP サーバからダウンロードしてみます。

ftp> cd /tmp 250 Directory successfully changed. ftp> ftp> ls 227 Entering Passive Mode (1.1.1.100,22,220) 150 Here comes the directory listing. -rw-rw-r-- 1 500 500 350 Jan 24 02:47 test.txt drwx------ 2 500 500 4096 Jan 24 02:47 test1 drwx------ 2 500 500 4096 Jan 24 02:47 test2 226 Directory send OK. ftp> ftp> lcd /var/tmp Local directory now /var/tmp ftp> ftp> mget test.txt mget test.txt? y 227 Entering Passive Mode (1.1.1.100,183,189) 150 Opening BINARY mode data connection for test.txt (350 bytes). 226 File send OK. 350 bytes received in 0.0043 seconds (79 Kbytes/s) ftp> ftp> quit 221 Goodbye. #

上記で実施した流れは以下の通り。

まずは、cd コマンドで FTP サーバの /tmp ディレクトリへ移動しています。

次に、ls コマンドで FTP サーバの /tmp ディレクトリに置いてあるファイルを確認。

続いて、lcd コマンドでクライアント側のファイル保存先となるローカルディレクトリを
/var/tmp へ移動しています。

そして、mget コマンドで /tmp/test.txt ファイルをダウンロードしています。
保存先は、/var/tmp です。

最後に、quit コマンドで FTP サーバとの接続を切断しています。
これで FTP によるサーバとのやり取りは終了です。

クライアント側の /var/tmp を確認してみると、
test.txt ファイルが保存されています。


FTP（ File Transfer Protocol ）のモードの違い